断捨離。
ミニマリズム。
いつの頃からかすっかりムーブメントになり、
あれを捨てた、これを捨てた、が話のネタになるくらいですよね。
さらに近頃では、【シェアリングエコノミー】【サステナビリティー】
みたいな観点も加わってきて、このジャンルの話題には事欠きません。
私自身は3.11をきっかけに、
どんな環境になっても生き延びたい!
という観点から、ミニマリズム、断捨離を志向するようになっていました。
断捨離だけでは不十分
そんな私の断捨離計画は順調に進んでいました。
もともと「こだわりのいいもの」を集める体質があったため、
オークションに出品すると、中古なのに自分でも驚くような高値がついたり、
時には、買った時よりも高値で落札されるケースもありました。
なので、断捨離というと、どちらかといえば“涙を呑んで”的な、
苦行に近いような営みになりがちですが、
私の場合はむしろ楽しんでやっていたくらいです。
とはいえ、モノがモノだけに、一品一品、丁寧に出品する必要があり、
撮影やらライティングやら、なかなかの時間がかかっていました。
見た目的には断捨離のスピードがゆるく、
こんなことなら、価値など気にせず、いっそ捨ててしまおうかと、
悩んだりもしていました。
そんなある日、事件が起こったのです。
早朝にスマホの地震速報が響き渡りました。
普段はスマホの速報が鳴るだけなのですが、
その日はマンション全体に警告が発出されていました。
尋常ではない雰囲気です。
とっさに身支度を整え、廊下に飛び出しました。
その時、私がピックアップしたものは以下です。
- iPhone
- 財布
- Macbook Air
普段の外出の際でも「iPhone」「財布」は持っているので、
差分は「Macbook Air」だけです。
1つだけしか追加できないとしたら、たしかに、この選択であっているでしょう。
が、この緊急事態において、本当にこれで良かったのでしょうか?
結果的には何事もなく、10分後には日常生活に戻っていました。
しかし、もし仮に、あれが3.11並みの影響をもたらしていたとしたら、
私の装備はまったく不十分と言わざるをえません。
iPhoneも、Macbook Airも、半日後にはバッテリーが切れて文鎮になっていたはずです。
もちろん、駆け込むべきコンビニなんかも流されてしまっているはず…
せっかく断捨離をして、コンパクトな生活に移行しつつあったのに、
その断捨離の効果が発揮されるはずのシーンにおいて、
まったく効力がなかったということです。
だって、Macbook Airを抱えて逃げるなんて、断捨離せずともできますから!
結果的に何事もなかったのは、単なる偶然です。
これをきっかけに、私は断捨離よりも大切なことに気づいたのです。
断捨離よりも大切なこと
100を10にするのが断捨離です。
すなわち、90を削減する努力が必要です。
一方、緊急時に必要なのは、10の中の5です。
5をあらかじめ吟味しておけばよいのです。
90を削減するには、それなりの時間がかかります。
うっかりすると、年単位の時間がかかったりもします。
仮に90を削減できたところで、
10の中の5を吟味していなければ、
私のようにMacbook Airだけを抱えて避難することになります。
すなわち、優先順位としては、
90を削減することよりも、まずは5を吟味して準備しておくことのほうが大切なのです。
かかる時間も、90の削減より5の吟味のほうが、圧倒的に短いはずです。
ミニマルパッキングを横に置いて暮らす
では、5を吟味して準備するとは、具体的にどういうことでしょうか。
バックパックを用意する
いつなんどきでも、何かあったら即座に行動できるよう、
バックパックに最低限の装備を「すべて」パッキングしておきます。
この「すべて」が重要です。
着替えから日用品、電化製品まで、「すべて」です。
目安は、その装備だけで1週間過ごせること。
1週間の旅行だと思えばよいでしょう。
とはいえ、旅行とは異なり、二度と家には戻ってこれない前提で、
これだけは外せない大切な宝物もパッキングしておくべきです。
食料品はさすがに現地調達を基本にせざるをえないでしょうが、
チョコレートなどは備えておくと役に立つでしょう。
そして、このバックパックを、いつでも手に取れる場所に置いておきます。
すぐ手に取れるところ。
目安は30秒フラットです。
3.11を思い出してください。
毎日使うノートPCも、1日の終わりにはバックパックの中にしまいます。
こんな風に、毎日触れるバックパックなので、
愛着を持てるお気に入りの一品を選ぶのがよいですね。
私のお気に入りは ARC’TERYX。
日々使う小物類は・・・
「すべて」をパッキングしておくとはいえ、
ペンや、歯ブラシ、爪切り、耳かき、などの小物類を、
都度バックパックから出し入れするのは、なかなか面倒です。
日常用とバックパック用で、すべて二重に用意しておくという考え方もありますが、
普段使っていないと、いざ使用する段になって、思わぬ不具合に気づいたりもします。
したがって、普段から使っている厳選した道具を、そのまま持ち出せるのがベストです。
そういう時に重宝するのがこれ。
無印良品の「吊して使える洗面用具ケース」。
普段は全開にして、バックパックの外側に吊るしておきます。
簡単に出し入れができます。
いざという時は、即座に畳んでバックパックにIN。
30秒フラットで、ぜんぜんイケます♪
いざって時は30秒フラットで高飛び
これは、マイケル・マン監督、アル・パチーノ、ロバート・デ・ニーロ共演の
映画「ヒート HEAT」の中に出てくるセリフです。
ヤバい暮らしには身一つが一番。
いざって時は30秒フラットで高飛びできるよう、面倒な関わりを持つな。
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